君と1000年紡ぐ
甘くもなく、でも辛口でもない。
そんな物語を置いています。
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道標。
『君と1000年紡ぐ』、散策の箱。
★ようこそ(足跡帳)。★
★君と紡ぐ夜(読切り童話集)。★
ムクの星/あなたが地球にいたころ/かしこいチャクのはなし/雲を運ぶ人の話/
瓦礫の幽霊/幻燈夜会/底の底の/レンネンカンプ博士の誘拐/
NEW!アリストテレスの試作
★モーリタニアの風(詩集)。★
モーリタニアの風/犬のエンジン/夜中の番人/カルムクルム/関屋の想い/
カフカは笑う/曼珠沙華/無意味な欲望/白と黒の残像/NEW!さよなら、ジギー。
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NEW!アリストテレスの試作
★モーリタニアの風(詩集)。★
モーリタニアの風/犬のエンジン/夜中の番人/カルムクルム/関屋の想い/
カフカは笑う/曼珠沙華/無意味な欲望/白と黒の残像/NEW!さよなら、ジギー。
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さよなら、ジギー。
さよなら、ジギー。
きみはスクラップ場にいて、その時を待っている。
きみが横たわるブリキの山は、この場所でいちばんうず高く、
陽射しが刺すようにきみの取れかけたネジに降り注ぐ。
美しかったプラスチックの爪は、溶けてぐにゃぐにゃだ。
ビロードの毛並は、尻尾まで、一本も残らず剥がされ、
無機質な裸をさらしている。
深い翡翠の瞳が埋め込まれていた眼窩は、二度と満たされることはない。
きみは今日の晴れ渡った空の青を、見ることすらできないでいる。
世界中に愛されていた頃の栄光は、ついに取り戻せない。
さよなら、ジギー。
あの音が聞こえるだろうか。
無情にも押し潰す。
スクラップの山を一つずつ。
それはすぐそこまで迫ってきている。
鈍くて重たい消失の音が。
きみが横たわるブリキの山は、この場所でいちばんうず高く、
陽射しが刺すようにきみの取れかけたネジに降り注ぐ。
それはとても誇らしい。
この世界の矛盾を、いちばん美しい形で示している。
どんな優れた芸術家も、きみには辿り着けない。
でもね、さよなら、ジギー。
きみは掘り起こされる可能性を奪われ、
だれかに思い出される希望まで剥ぎ取られ、
あの消失の音に連れ去られてしまうだろう。
さよなら、ジギー。
愛される時は終わった。
さよなら、ジギー。
もう影さえも映さない。
きみはスクラップ場にいて、その時を待っている。
きみが横たわるブリキの山は、この場所でいちばんうず高く、
陽射しが刺すようにきみの取れかけたネジに降り注ぐ。
美しかったプラスチックの爪は、溶けてぐにゃぐにゃだ。
ビロードの毛並は、尻尾まで、一本も残らず剥がされ、
無機質な裸をさらしている。
深い翡翠の瞳が埋め込まれていた眼窩は、二度と満たされることはない。
きみは今日の晴れ渡った空の青を、見ることすらできないでいる。
世界中に愛されていた頃の栄光は、ついに取り戻せない。
さよなら、ジギー。
あの音が聞こえるだろうか。
無情にも押し潰す。
スクラップの山を一つずつ。
それはすぐそこまで迫ってきている。
鈍くて重たい消失の音が。
きみが横たわるブリキの山は、この場所でいちばんうず高く、
陽射しが刺すようにきみの取れかけたネジに降り注ぐ。
それはとても誇らしい。
この世界の矛盾を、いちばん美しい形で示している。
どんな優れた芸術家も、きみには辿り着けない。
でもね、さよなら、ジギー。
きみは掘り起こされる可能性を奪われ、
だれかに思い出される希望まで剥ぎ取られ、
あの消失の音に連れ去られてしまうだろう。
さよなら、ジギー。
愛される時は終わった。
さよなら、ジギー。
もう影さえも映さない。
白と黒の残像
白か黒か選ぶ
残された足跡は醜態
白か黒か選ぶ
すれ違う哀しき残像
白か黒の煽動
浮き彫りにされた反発
白と黒の交代
刻み付けられる不信
白か黒は正しい
そして
繰り返されるは分離
残された足跡は醜態
白か黒か選ぶ
すれ違う哀しき残像
白か黒の煽動
浮き彫りにされた反発
白と黒の交代
刻み付けられる不信
白か黒は正しい
そして
繰り返されるは分離
アリストテレスの試作
男は貧しき者にパンを与えた。
貧しき者はよろこんで男の後をついて回った。
働かずともパンとワイン、
ときにみずみずしい果物が手に入った。
男の歩く道に列ができた。
人々は「この者は、まさか聖人ではないか」と目を凝らし、
とうとうその行為の瞬間を見とめ、
これはいよいよ本物だと騒いだ。
男の後には物乞いが、
そのさらに後を信望者がついて回った。
男の財産は底が見えていたが、
信望者からの恵みを物乞いに与え、
列を乱すことを避けた。
やがて、列を見て激しく嫉妬するものが出た。
国でもっとも栄える商家の主だった。
主は隙あれば政に力をもたらしたいと思っていたので、
男への羨望は止んで止まないものだった。
主は男へこう言った。
「あなたの恵みの泉を、どうぞ私に預けてください。
私の財力を頼ってください。
あなたの列は、決して乱しません」
男は二言返事で受け入れた。
主は心強い後ろ盾を得て望みを叶え、
男は自分が築き上げたものを何一つ失いはしなかった。
世の不作と圧力により物は不足したが、
男は満たされていた。
ある時、
召使のようになっていた最初の物乞いが、
男の食卓に焼きたてのパンを並べた。
男はそれを口にした。
激しい嘔吐と下痢を繰り返し、
男が死んだのは間もなくだった。
貧しき者はよろこんで男の後をついて回った。
働かずともパンとワイン、
ときにみずみずしい果物が手に入った。
男の歩く道に列ができた。
人々は「この者は、まさか聖人ではないか」と目を凝らし、
とうとうその行為の瞬間を見とめ、
これはいよいよ本物だと騒いだ。
男の後には物乞いが、
そのさらに後を信望者がついて回った。
男の財産は底が見えていたが、
信望者からの恵みを物乞いに与え、
列を乱すことを避けた。
やがて、列を見て激しく嫉妬するものが出た。
国でもっとも栄える商家の主だった。
主は隙あれば政に力をもたらしたいと思っていたので、
男への羨望は止んで止まないものだった。
主は男へこう言った。
「あなたの恵みの泉を、どうぞ私に預けてください。
私の財力を頼ってください。
あなたの列は、決して乱しません」
男は二言返事で受け入れた。
主は心強い後ろ盾を得て望みを叶え、
男は自分が築き上げたものを何一つ失いはしなかった。
世の不作と圧力により物は不足したが、
男は満たされていた。
ある時、
召使のようになっていた最初の物乞いが、
男の食卓に焼きたてのパンを並べた。
男はそれを口にした。
激しい嘔吐と下痢を繰り返し、
男が死んだのは間もなくだった。
無意味な欲望
裏切って
嘲笑って
逃げて
怯えて
拒絶して
僕のうたを聴いて
嘲笑って
逃げて
怯えて
拒絶して
僕のうたを聴いて
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HN:
史間
性別:
女性
職業:
編集
趣味:
物書きと妄想
自己紹介:
本館「史間ブログ」では小説を連載しています。
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